vivamus,atque amemus





 義哉はその日も変わらず日課となっている旗磨きをしていた。
黒く光る旗竿を一点の曇りもなく磨き上げた後にはいつも時も忘れて
それに見入っているものだが、今日は旗竿を見つめる目も
どこかぼんやりとしていて、手も休みがちだった。

 満足のいく出来ではないが、とりあえず竿を磨くのは終わりにして
今度は側にたたんで置いてあった赤い旗を広げてみる。

「今日はずいぶんと手荒に扱ってしまったからな…エリュトロンに
ほころびなどが無いといいのだが…」

そう言って赤い旗、エリュトロンを端から念入りに確かめる義哉は
ふと自分の言葉にその動きを止める。

「…本当に…今日は………」

義哉は今日旧校舎で行われた肝試し大会での一件を思い出していた。
大きな音がし、異変を感じて向かった先には幾人かの生徒達と
巨大な蜘蛛がいた。恐らく突然変異などで済む代物ではない。
あれは、化け物だったのだ。
義哉は今更ながらに寒気を感じた。必死だったとは言え、
よくも無謀にもあんなものに旗一本で殴りかかったものだ。
他の生徒達もいたから自分には大事なかったものの、今度あんな機会が
あったときにはもう少し頭を使おう、と義哉はあまり現実味の無い想像で決意を固めた。

 「…あのときはきっと、君が守ってくれたのだな、エリュトロンよ」

真紅の旗は義哉の問いに応えるはずもなく、ただそよと揺れる。
それでも満足そうに義哉は笑うと、慣れた手つきでそれを再び竿に
結び付けていく。きっと、自分が注いだ深い愛情にエリュトロンが
応えてくれたのだろう、と恍惚とした様子でとんでもない夢を見つつ。

「さあ愛しいエリュトロンよ、明日もよろしく頼むぞ!」

言って寮の壁にエリュトロンを立てかけると、義哉は全て後回しに
なっていた自分の着替えや食事の準備のためその場を後にした。
その背中を見守るように、一瞬エリュトロンから陽炎のような赤い光が
立ち上ったように見えたのは彼の与り知らぬこと。









お疲れ様でした。義哉のリアクションの間埋め的プラテをお送り致しました。
リアクションの間埋めということで非常に何を言ってるのか分からないという
不親切なプラテです(×)
かいつまんであらすじ紹介をば。学校の旧校舎で行われた肝試し大会に義哉は
脅かす係として参加していたのですがその途中に巨大な蜘蛛の化け物が現れる
という事件が発生しまして、その化け物との戦いのさなか義哉や他の生徒さん達は
異能力に目覚めるわけですが義哉は愛の力と信じて止まないと(×)
そんなお話が前提になったプラテでした。先に説明すべきでした。
 冷静に考えてみて自分の部屋で旗に向かって話しかけてる人とか
フツーに怖いなと思います(笑) 物に対する愛着が病的に深い奴です。

 こちら元々が『義哉vエリュトロン愛の日記』という恐ろしくアホな
タイトルだったので改題させて頂きました。
『ともに生き、ともに愛し合おう』という詩から。タイトルと同じ意味です。

 ここまで読んで下さりありがとうございました!





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